うららかな日々(11月16日・火曜日) No. 440
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今日も暖かな気持ちの良い1日です。このところ朝晩はヒンヤリするもの
の、日中はポカポカ陽気で最高に気持ちのよい毎日です。連休が明日まで
続くので事務所は静かなモノです。昼、仕事に一段落したところで、ぷ〜
ちゃんのシャンプーをしました。部屋のバスルームにぷ〜ちゃんを招き入
れて、暖かいお湯で隅々までシャンプーをした後はバスタオルでゴシゴシ
拭いて部屋に放します。犬はシャンプーの後には火がついたように暴走し
ますよね。ひと通り暴走を見守ったあと、もう一度バスタオルで拭いて、
それからテラスに放しました。
完全に身体が乾くまでしばらくテラスでボール遊びをしました。遠くに投
げたボールを咥えて走ってきて、目の前にポトンと落とすだけの単純な遊
びなのに、ぷ〜ちゃんは飽きることなく拾っては届けに来て「また投げ
ろ」と催促します。そうやって遊びながら空を見上げると、やっぱり初冬
の空なんですね。ハッとしました。雲ひとつない青空なのですが、秋口の
スカッと抜けるような鮮やかな青ではなく、薄い水色の空。何故かとても
懐かしい気分になる空です。
そう言えば3週間程前に、鳥小屋のニワトリファミリーの卵が孵りまし
た。あれはニワトリ、と呼んで良いのかちょっとわからないのですが、ニ
ワトリの一種だと思います。ちょっと大きめです。今は雛達がピヨピヨと
元気に鳴きながらお母さんの後ろをヨタヨタついて歩いています。ここの
事務所を気に入っている理由のひとつが本当に静かなことです。今も耳を
すますと数々の鳥の鳴き声が聞こえるのみです。夜になると様々な虫の声
が聞こえてきてヒーリングCDを常にBGMに流しているようなものです。多
少の不便があってもこういう環境は人体に良いのではないかと思ったりし
ています。
今回、日本に居る間に何度か大型家電ストアに行きましたが、店内に入る
と決まって具合が悪くなるのです。特にパソコン売り場では立っているの
が辛いくらいに気分が悪くなって、ふと電磁波の影響ではないかと思いま
した。そして、そこで働いている人達の健康は大丈夫なのかと心配になり
ました。
慢性的に身体がダルいという人などは色々な原因があるかと思うのです
が、人間も動物の一種だということを思い出して、自然を近くに感じる時
間を積極的に持たれることをおすすめしたいです。
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ジュース・シャワー!(11月15日・月曜日) No. 439
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今日はフレッシュジュースのシャワーを浴びてしまいました!!
日本からアフガニスタンNGOの方々がトランジットでパキスタンに立ち寄
られたので、ホテルのコーヒーショップでテーブルを挟んでお話をしてい
たのです。その時、ウェルカムドリンクが運ばれてきました。私を含めて
4人しか居ないテーブルなのに、やけに大きなトレイに沢山ジュースを並
べてるなぁ〜と思った瞬間に「ガシャ〜ン!」。
周囲は水浸し。いえ、ジュース浸しです。
幸い、お客様にあまり被害が及ばなかったので、それだけが不幸中の幸い
で良かったのですが、私はジュースも滴るイイ女!そして最大の被害は私
のハンドバッグでした。テーブルの上に置いていたハンドバッグ(この秋
日本で買ったばかりのお気に入り!)にジュースがダボダボと注がれたよ
うで、中はちょっとした池になっています。きゃ〜〜〜。
とりあえずはテーブルを移ったものの、ジュースをひっくりかえした本人
はどこかへ消えてしまって、デューティーマネージャー達も知らん顔。唯
一、5日前にそのホテルに入ったというフンザ出身のイムティアーズさん
だけが恐縮して謝り倒しておられたのですが、改めて後日、支配人にレポ
ートしないとなぁ〜とハンドバッグに溜まったジュースをナプキンで拭き
ながら考えていました。実はこのナプキンをもらう時もスタッフの対応が
非常にまずかったのです。私が「ナプキンを頂戴。」と言うと、そこにい
たウェイターが2〜3枚のナプキンを上品にお皿に載せて持ってきたので
す。これは食事中のお客様にナプキンを渡す作法です。つまり彼は目の前
でジュースが大量にぶちまけられた現場に居ながら、何故こちらが「ナプ
キンをくれ」と言われているのか考えられないくらいに頭を使わずに漫然
と仕事をしているということなのです。「10〜15枚くれないと話にならな
いでしょ!」と鋭く言われて初めて「はっ」としたようでしたが、全くト
ホホです。
これはこのホテルに限らずパキスタン国内の多くのホテルで言えること
で、我々オペレーターの頭痛の種でもあります。
今回、私にぶっかけてまだ良かったのです。これでお客様にジュースをか
けたとなると、そのホテルを手配した私達の責任でもありますから「今度
から気をつけなさいよ」では済まないのです。お洋服や大切な書類を台無
しにしたとあっては大問題です。ツアーオペレーターというは旅行素材全
てにおいて責任がありますので、「ホテルが悪い」では決して済みませ
ん。
誰でも粗相はあります。悪気があってお客様にジュースをかけるわけでは
ないのは百も承知ですし、日本のホテルでも宴会係が飲み物のトレイをぶ
ちまけてしまうというシュミレーションはスタッフ教育の過程でなされて
いると聞きます。パキスタンも同じ。ジュースをこぼさないように上手に
運ぶ練習だけでなく、万が一お客様を飲み物まみれにしてしまった時にど
うするべきかという対応を考えなくてはならないのです。
そういう意味では今回の水難(?!)は私達にとっても貴重な考えるチャ
ンスとなりました。服もハンカチも洗えば済みますし、ハンドバッグもお
客様のチケットも何とか乾きました。ただ残念なのはカバンに忍ばせてい
た塩野七海のエッセイ。この文庫本がジュースまみれになってしまったの
はショックでした。帰ってきてからギュっと押さえると頁の間からジュー
スがじわり滲み出るのです。これは何とも言えず虚しかったです。
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Eid Mubarak!! (11月14日・日曜日) No. 438
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昨晩、イード初日の月が観測されたということで、晴れて本日は斎戒のイ
ード祭り。ラマダンも終わって皆嬉しそうです。
夜中に人々がバザールに繰り出して大騒ぎの様子がテレビでも中継されて
いました。幼い子供もインタビューを受けていて、新しい靴や晴れ着を買
ってもらって嬉しそうな様子です。この賑わいが明け方まで続くのだと聞
いて驚いていると、確かに近所のサダルバザールからの喧騒がいつもは静
かな我々の事務所にまで届いてきました。車のブレーキが軋む音。クラク
ション。バリバリというマフラーの音。まるで暴走族の集会でも行なわれ
ているのではなかろうかという騒ぎで、時折若者の嬌声も聞こえてきま
す。そのうちにパトカーもやってきたようで、何か物音がする度に眠って
いるぷ〜ちゃんがピクンと反応して上体を起します。
実際このお祭り騒ぎの中では誘拐事件や傷害事件も起きるらしく、警察の
人達は祝祭騒ぎではなさそうです。まぁ、考えようによってはこういう馬
鹿騒ぎが出来るのはパキスタンが平和な証拠かもしれませんよね。
何はともあれイード・ムバラク!
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いつも日本から買って来てもらう『フラウ(FRaU)』という雑誌がありま
す。こんな女性雑誌を男性に頼んで悪いなぁ〜と思いながらも社長の厚意
に甘えていつも買って来てもらうのですが、今月の表紙は映画『海猫』で
注目の女優・伊東美咲さん。渾身の作品の公開を控えてますます美しさが
光り輝くようです。
さて、この雑誌。通常は表紙の上部に『FRaU』とロゴが入るのですが、今
回は本来「U」の文字が入る右上にポーズの関係上、伊東美咲さんの顔が
入ってしまうために、雑誌のタイトルが『FRa』になっています。そのこ
とにふと気付いて妙に感心してしまいました。雑誌にとって表紙のタイト
ルというのは何よりも大切な「顔」でしょうに、デザインの事情からタイ
トルロゴを削るという決断を、もし私が責任者ならば果たして出来たかな
ぁ〜としばし考えこんでしまったのです。
きっと私が部下からそのような相談を受けたら、「何を考えてるの?雑誌
名のロゴにかぶる写真なんて問題外!他の写真を探して!」と言ったので
はないか...と。
創刊当時から購読していていますが、未だに次号の予告を見ると思わず読
みたくなってしまう、このFRaUの魅力はきっとこの潔さが随所に表れてい
ることなんだろうと今日はしみじみ感じました。
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先日『DUAL FEEL』という日産自動車のプロモーションの為に作成された
DVDを頂いて観てみました。ギタリストのCHARさんと女優の小西真奈美さ
んが共演するショートドラマで非常にロマンチックな内容でした。つかこ
うへいの舞台で鍛えられて、女優としての注目度がアップしている小西真
奈美さんはこの作品の中でも本当にチャーミングで、腰まで伸びるロング
ヘアも軽やかでキュート。
ドラマを観ているうちに「そっか、この前髪がポイントだな。」と彼女の
前髪に魅了されてしまった私は、ドラマが終わると自分の部屋の浴室にこ
もって早速ジョキジョキと前髪をカットし始めました。もちろん散髪ハサ
ミなど無いので普通の図工用のハサミを使ってのカッティングです。
たまに日本に帰国した時にしか美容院には行かないのですが、そこで「前
髪作りますか?」と尋ねられても「いいえ」と返事をして、一昔前の言い
方をすれば「ワンレングス」でここ数年は通してきました。ところが、い
つもまとめ髪をすると額の髪を引っ張りすぎるのでしょう。何でもズバズ
バ指摘するサジャード社長から、前回日本で「ねぇ、ココがハゲてきてる
よ。」と額の部分を指して言われて以来、ちょっと気にしていたのです。
きっと言わないだけで他の人達もそう思っているに違いない、と。前髪を
作るというのはその問題克服の意味合いもありました。
ハサミ片手に30分。あ〜でもないこうでもないと不器用ながらに仕上げて
みると、「お〜なかなか。小西真奈美風になった!ちょっと松嶋奈々子に
見えなくもないナ。」とひとりご満悦。前髪ひとつで印象がかわるもので
す。
そして今日、パキスタンにやってきた社長に「前髪を切ったんです!」と
報告すると「うん、気がついたよ。パターンの女性みたいでなかなか良い
よね!」との返事。
・・・パ、パターンの女性?
パターン人というのはアフガニスタンと国境を接する北西辺境州に住む人
種です。男性は好戦的で誇り高き人種と言われ、同時にその単純さが笑い
話の種にもされる、まぁいわば男性が「オマエはパターン人みたいだ」と
言われた場合は怒った方が良いのですが、女性の場合はどうかと言うと複
雑なところです。パターンの女性はブルカで容姿を隠している人が殆どで
あっても実は美女濃度が高いという定評があります。ただ、「パターンの
女性みたいだ」という場合は一般的には『パターン映画』に登場するヒロ
インを指している可能性が高いのです。ひと昔のパターン映画は今でもテ
レビで頻繁に放映されているのですが、あまりにもふくよか過ぎる女性が
髪を振り乱して踊っているのが殆ど。よくもまぁこんな重たげな身体で踊
れるなぁ〜と驚くほど。確かにパターン映画の女性は腰に届くロングヘア
で前髪は短いのです。それに比較するとパンジャーブやシンドの女性や憧
れのインド美人はスリムな身体にサリーを纏い、ヘアスタイルもおでこく
っきりのワンレングススタイルです。
そ、そうか。パターンか。でも切ってしまったものは仕方がない。自分で
は小西真奈美か松嶋奈々子のつもりでいようっと。
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彼女のキモチ(11月11日・木曜日) No. 435
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最愛の婚約者が突然亡くなってしまう、という映画の筋書きのような出来
事が実際に起きたら...?
10月26日未明に大阪市北区堂山町の繁華街で、会社員の戸野竜秀さん(28)
が同僚と別れて1人で歩いていたところ3人組の若い男性達に襲われ暴行
され意識不明となり11月7日にお亡くなりになりました。犯人達は現段階
で捕まっておらず、怨恨などではなく金目当ての犯行だったとか。戸野さ
んは『起業WEB』というサイトの主宰メンバーの1人で、現在仲間の方達
がネットを通じて犯人の情報を集めておられます。(詳しくはコチラか
ら。)
何よりも心が痛むのが戸野さんの婚約者の方の日記『彼女のキモチ』で
す。暴行事件の翌日から戸野さんが亡くなられるまでの日々の心境やお二
人の思い出などを綴っておられて、それを読むと、このお二人が本当に稀
に見る相思相愛の仲良しカップルだったのだということが伝わってきま
す。志をもって共に歩む若い恋人達に対して、現実は何という厳しい試練
を与えるのでしょう...。この女性にかける言葉も見つかりません。時間
が心の傷を癒してくれて、いつかこの悲劇の一章をとじて新しいページを
めくれる時が訪れることを祈るしかありません。
本当に心の痛い事件です。恨みを買わなくても、危険な地域に足を踏み入
れたわけでなくても、たまたまそこを通りかかったからという理由で命を
奪われるということが現実に起きているのです。お金は【稼ぐもの】では
なく【奪うもの】へと変わりつつあるのかもしれません。しかも手段を選
ばずに。日本は世界一の無法地帯になりつつあるのでしょうか。
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書き手の姿はやっぱり逢わないとわからない(11月10日・水曜日)
No. 434
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太宰治の短編の中に『恥』という作品があります。これはある作家が書い
た小説を読んで一読者の女性が「これは自分のことだわ!」と信じ込んで
「あの人は私を必要としているから逢いに行ってあげなくては。」と作家
の自宅まで押しかけてしまうという話なのですが、書き手は装うことが出
来るという核心をついた、何だかハッとさせられる作品です。興味のある
方はコチラで読んでみてください。『恥』(青空文庫リンク)。
いまやインターネット花盛りで、気になるテーマもクリックひとつで調べ
ることが出来、頻繁に訪れているサイトの管理人のことを何となく良く知
った人のように錯覚してしまいがちですが、金持ちが貧乏人を装う事も、
悪人が善人を演じたりする事も簡単に出来るのだということを忘れてはい
けないのだということを、この小説は時代を越えて示唆してくれます。
太宰治の小説に出てくる女性はそそっかしくて、一途で、お茶目で、気ま
ぐれで、ちょっぴり我儘で本当に可愛らしい人ばかり。何となくフランス
映画のイメージで憧れます。太宰作品は小学生の頃から好きで、大学生時
代にはバイト代を叩いて復刻版全集を買ってしまった程の惚れこみよう。
就職して上京した時に迷わず三鷹市下連雀に住むことに決めたのもモチロ
ン太宰作品の影響でした。「暗い」と言われる太宰作品ですが、とんでも
ない!北杜夫だったかが「日本でユーモアをかける作家は太宰治だけ
だ。」どこかで書いておられたと記憶していますたが、それを読んだ時
「さすがはどくとるマンボウ先生!わかってるや〜〜ん!」と嬉しくなっ
たのを覚えています。三鷹から井の頭公園にかけては山本有三・森鴎外・
瀬戸内晴美(現・寂聴)・大仏次郎・亀井勝一郎・武者小路実篤・三木露
風などの多くの文人が暮らしていた場所で、当時と今とは変わっているの
でしょうが、それでも住んでみて大満足の美しくノスタルジックな土地で
とても気に入っていました。
太宰治が眠る三鷹の禅林寺に向かう「禅林時通り」に『レヴェ(Reve)』
という素敵なケーキ屋さんがあります。洋菓子だけでなく陶器も扱ってお
られて、ちょっとしたカフェスペースもあります。絵本がディスプレイさ
れオルゴールのBGMが流れる店内は静謐な空気が流れていて、気持ちが穏
やかになる特別な空間なのです。ケーキのお味も絶品。材料もオーガニッ
クで安心です。三鷹在住当時、お休みの日にひとりでフラリと行ってはの
んびり過ごさせて頂きました。このお店、もともとは従兄が大学時代にア
ルバイトをしていて訪ねたのが出逢いでした。この雰囲気はちょっと他で
は見られない。中央線にわざわざ乗ってでも行く価値アリです!
秋も深まってきました。東京在住の方々は吉祥寺の井の頭公園を抜けて玉
川上水沿いに三鷹まで歩いてみられるのはどうでしょう?
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愛あるチャイ(11月09日・火曜日) No. 433
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今日はアラマ・イクバールの生誕日ということで休日です。イクバールと
いうのはジンナーと共にパキスタンのインドからの分離独立を提唱した詩
人であり哲学者であった有名な人物です。
ところでパキスタンの面白い所は、祝日だからといって必ずしも休日とは
限らず、その日をお休みにするかどうかという事をその都度政府が発表す
ることです。もちろん独立記念日のように何が何でも間違いなく休日にな
る祝日もあるのですが、とりわけこのイクバール生誕日というのは「あ
れ、去年は休みだったっけ?」と悩む祝日の代表格で、今年も2〜3日前
から会社の中では「11月9日が休みか否か」という議論でもちきりでし
た。結局、昨日の段階で政府が休日という公式発表をしたので、「あ〜こ
れで妻のイードショッピングにつきあえる!」と普段家族サービスを怠り
がちのご主人方は特に喜んでいました。
断食もあと5日間ほどでおしまい。そして待ちに待ったイード休暇がやっ
てきます。今は商店も日本の年末のような賑わいです。
さて、私はと言えば服を新調するでもなくイードショッピングとは無縁な
ので、のんびり読書の休日となりました。今回日本で大量に書籍を購入し
てきたので日本茶を淹れながら読書をするのが一番の休暇の楽しみ方とな
っています。
それから今日は毎月恒例の函館の「FMいるか」さんへの電話出演日でし
た。今日はイードにちなんでパキスタンの暮らしにいかに「喜捨」の精神
が根付いているかというレポートをさせて頂きました。新潟中越地震でパ
キスタン人のボランティアの方達が被災地で毎日温かいチャイを配るボラ
ンティアをされたという報道に触れて、素晴らしいことをされているなぁ
〜と思いました。
パキスタン・チャイには不思議なパワーがあります。身も心も温まる、ホ
ッとする飲み物です。日本茶ともアフタヌーンティーとも珈琲ともハーブ
ティーとも違う、独特の暖かさ、大袈裟に言うと《愛》を感じる飲み物な
のです。何故かなぁ〜と考えると《淹れるのに手間がかかる》ということ
が考えられます。難しいテクニックは要らないのですが、とにかくその場
に立っていないといけないのがチャイです。
まず沸騰したお湯にお茶の葉を入れてグラグラと煮立たせてから、お湯よ
り少な目の牛乳を加えてひと煮立ちもふた煮立ちもするのです。お湯と牛
乳の割合は6:4あたりがベストです。牛乳は煮詰まるとブクブク泡をあ
げて吹きこぼれてしまうので、鍋をチャイ用の玉杓子でグルグルかき混ぜ
ながらじっくり火を通すのです。これを茶漉しで濾しながらカップに注い
で出来上がり。お砂糖を一緒に煮立ててもOKです。私は砂糖は入れない
のですが、一般的にはこちらのチャイは甘いものです。
こうしてじっくり火を通しているので、まず冷めにくい。そして手間がか
かっているぶん心にじ〜んと染み入るのです。最近はティーバッグでポッ
トにお湯を注いでミルクを足すというチャイもありますが、アレに愛は感
じられないですよね。やっぱりじっくり煮込んだ愛あるチャイが一番で
す!
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Welcome!!観光専門家のお二方!(11月8日・月曜日) No. 432
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10月1日からJICAのSV(Senior Volunteer)として、観光業の専門家の方が
お2人イスラマバードに来てくださいました。任期は1〜2年ということ
で、ご両人とも観光業での豊富な経験をお持ちでいらっしゃいます。
これまで私達が政府に提言していた観光業の問題点や改善点を、今度はニ
ュートラルな立場におられる専門家の方がアドバイザーとして政府に働き
かけて下さるとしたらこれほど有難いことはありません。お2人が来て下
さって本当に嬉しい気持ちでいっぱいです!パキスタンの観光業にとって
の朗報です。
また、別の点でも私が嬉しいと感じているのは、業界の先輩と出逢えたこ
とです。日本の旅行業界での勤務経験や旅行業法に基づいた海外添乗経験
がある人間がこの国ではサジャード社長と私以外に居ない為に、どうして
も自分達の知ることが全てになってしまい、コックス・パキスタンとして
更にレベルアップをする為には、ずっと経験の長い先輩にご教示頂くこと
が必至だと感じていました。
今回いらしたお二方は私が日本で勤務していたらきっと簡単には出逢えな
かったようなそれぞれに豊富なご経験を持つ方々ですから、これからのお
つきあいをとても楽しみにしています。
そういえば、9月から10月にかけての帰国では、かつて添乗や営業でお世
話になった多くの諸先輩方と4〜5年ぶりに再会を果たしました。大半の
方は(私も含めて)以前お互いに知っていた時とは所属が変わってしまっ
ていたのですが、業界内転職の多い旅行業界の特質と言うのでしょうか、
「所属云々」よりも「相手」を知っていることの方が重要だという雰囲気
が嬉しく感じられました。そしてどなたも以前よりも影響力のある立場に
なって偉くなっておられるのにも勇気を得ました。私も来年からは業界歴
が10年目になります。立派な諸先輩方に面倒をみて頂いたという経歴に恥
じない良い仕事をして行きたいと決意を新たにしました。
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イード・カード(11月7日・日曜日) No. 431
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断食明けの斎戒の祭り、イードを来週に控えて、イードカードの交換が始
まりました。日本の年賀状と違って、「当日に」届けるのではなく、「当
日までに」届くように送るのが習慣です。私達の会社もオリジナルのイー
ドカードを作成しました。カンパニーマネージャーのジャワードがセンス
を発揮してくれたおかげで、とても素敵なカードが出来上がりました。こ
のウェブサイトのトップページに使用している美峰ラカポシの写真を使っ
たカードです。印刷業者の方も次々とアイデアを出して下さったので、期
待以上の出来となりました。
日曜日にもかかわらず、朝一番で業者の方が事務所にやって来られて「こ
のサンプルで良いでしょうか?良ければこれから本印刷にかけます。」と
確認をして下さって(私はまさか日曜の朝9時前に人が事務所に来ると思
わなくて、あまりにもラフな格好で仕事をしていたのでちょっと恥ずかし
かったのですけれど...)、夕方までには注文した300枚が出来上がっ
てきました。
明日は宛名シールを貼って発送作業に入ります。あまりに出来が良かった
ので、マネージャー達の間でオリジナルポストカードを作ろうかという話
も出てきています。現在はジャミール&ジャワードのマネージャーコンビ
の采配のもと、英語サイトも作業進行中でなかなか凝った本格サイトが出
来上がりつつありますし、頼もしい限りです。乞うご期待!!
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スタッフ紹介のページが新しくなりました!(11月6日・土曜日)
No. 430
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今回、日本に帰国している時にもっとも良く受けた質問は「コックさんは
見つかったの?」という質問でした。そう、見つかったのです。おかげさ
まで。永らく、このチャイブレイクを更新していなかった間に良いコック
さんに恵まれました。幸せです。ご心配をおかけしました。
さて、今日はスタッフ紹介のページを新しくしました。コックス・パキス
タンという会社をもっと良く知って頂く為にも、またパキスタンという国
を少しでも身近に感じて頂く為にも、事務所スタッフとガイドと運転手以
外にも、コックのファザル、見張りのアルターフ、飼育係のフェイサルな
どのスタッフもご紹介させて頂くことにしました。
直接旅行業務に携わらない彼等スタッフも、お客様へお配りする「おしぼ
り」を準備したり、車輌の掃除を手伝ったり、ツアーに必要なものをバザ
ールに買いに行ったりと、有形無形の貢献をしてくれています。コック
ス・パキスタン一同の顔ぶれをまた是非ご覧下さい!
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朝レン開催中!(11月5日・金曜日) No. 429
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年に一度、全世界同時に開催される『日本語能力検定試験』が今年は12月
5日(日)に決まりました。既にコックス・パキスタンの日本語スタッフ
達は申し込み手続きは終了しているのですが、この2級というのはなかな
かの難関で、漢字圏と非漢字圏では大きな差が開いてしまうというのが現
実。
特にガイドになってからは「聞く」「話す」の能力に磨きをかけることが
出来ても「読む」「書く」の能力を伸ばす機会が少なく、どんどん漢字を
忘れていくのが難点なのです。
私に手伝えることは日本語教師として試験に向けた特訓講座を行なうこと
だけ。現在はラマダン中で全員が一旦夜明け前にサリという断食前の食事
をする為に3時頃に起きて、その後も本来はコーランを詠んだりお祈りを
したりして過ごすということなので、朝7時から9時までの2時間を日本語
朝レンの時間に充てることにしました。
「え〜〜、でもみんなサリを食べてから寝るんですよぉぉ。」「あ、そ
う?でもいいじゃない。夜は早く寝るんでしょ。」「でも・・・。」「い
いのよ、強制じゃないんだから。受けなくても構わないの。でも私は朝し
かクラスはしません。」ということで、現在は朝7時から文法と漢字の特
訓中です。
意外と寒いパキスタンの冬。朝レン時間は私もフリースのジャケットを着
込んで、スタッフ達も大判のショールを羽織って机に向かっています。1
日を早くスタートするのは仕事にも良い影響があるようで、時計を見て
「あら、まだ11時。」というように時が過ぎるのが遅く感じられます。彼
等には、こうして勉強をすることで本番で実力を十二分に発揮し、是非と
も2級に合格して、資格給を得て欲しいと願っています。
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修理ならおまかせ!(11月4日・木曜日) No. 428
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一昨日のこと、寝室のクローゼットのレールが落下。ハンガーを掛けた途
端にレールの片側の留め具が外れてガタンと落ちてしまいました。おそら
く年々少しずつ増えていくシャルワールカミーズやサリーの重さに耐えか
ねてついに壊れてしまったのでしょう。日本に行く前にビジネススーツを
3着も新調してしまったので、それも重さに拍車をかけた様子。(余談で
すが、パキスタン職人はコピー技術が非常に優れていますので、お気に入
りのブランドスーツを仕立て屋さんに持って行くと、ソックリのものを作
ってくれるのですよ。良い店は生地も英国から仕入れているので上質なテ
イラーメードスーツの出来上がりです。お薦め!)
この洋服掛けは作りつけで一体どういう仕組みになっているのかもわから
ず、スチールパイプで出来たレールの長さとクローゼットの幅が全く同
じ。両側の止め具は壁にしっかりついたままだし、ハテ??
早速スタッフ達に相談すると「じゃあ、アビッドが見に行きます。アビッ
ドはこういうことが得意ですから。ね?アビッドさん。」というタージと
フェイサルとの先輩命令により後輩アビッド君が修理係に無理やり抜擢さ
れました。「失礼しま〜す」と部屋に入ってきて、しばらく「あれ?あ
れ?」と言いながら格闘していたアビッド君もついにお手上げ。壁を壊し
て埋め込まれている留め具を付け替えるしかないかと思った時に「あ、き
っとアルターフさんならきっと直してくれますよ。」と見張りのアルター
フを呼んできてくれました。するとアルターフはペンチ1本で部屋にやっ
て来て、壁をガンガン叩いて留め具を外し、パイプと接続して再び壁にガ
ンガン叩いてはめ込んでくれました。その上、手近の紐でレールを固定し
て重さに耐えられるように調整してくれたのです。この間10分足らず。
いやぁもうパチパチ手を叩いてお礼を言いました。アルターフに限らず、
この国の男性達は本当に器用で、何でも代用品を見つけて直してしまうの
で感心するばかりです。ただ、時としてこの器用さは「分解癖」へと発展
して、電化製品などもスグに分解してしまうので、修理するのと同じくら
いに故障させているようにも見受けられるのですが...。まぁ、少なく
とも私よりは誰もが電化製品のメカニズムが良くわかっていると断言して
間違いありません。
とにかく助かりました!ついでにクローゼットの大掃除も出来ましたし。
お礼に今日のアフタール(断食明けの食事)に、私から「カチューリ」と
いう野菜の入った揚げ饅頭を皆に差し入れさせてもらうことにしまし
た!!
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ネズミのミミちゃん(10月31日・日曜日) No. 427
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蟻と並んで気になっていたのがネズミの存在。昼夜問わず、やはり本棚か
らガサゴソと音がするので見てみると小さなネズミが居るのです。最近は
度胸がついてきたのか、私と目が合っても、逃げ隠れすることなくチョコ
ンとそこに佇んでいるのです。
あれだけネズミが大嫌いで椅子の上に飛び上がっていた私も、先日の蟻の
大群のショックで感覚が麻痺してしまったのか、この小さな全長4cmくら
いのネズミをじっくり観察できるまでになりました。よく観てみてると案
外可愛い姿をしているのです。丁度ベアトリス=ポッターの『ピーターラ
ビット』の挿絵に出てくる野ネズミのような感じで、チャコールグレーの
毛並みがフワフワしているのです。何を血迷ったか「ちょっと触ってみた
いな...」という気さえ起きてきたのですが、やはりネズミは色々な病
原菌を媒介しているというので、よした方が良いだろうと思いとどまりま
した。
それにしても本当に見れば見るほど可愛らしくて気になります。ミミちゃ
んと名付けて、観察することにしました。
ところが観察し始めてスグに気付いたのは、このミミちゃんは本棚のちょ
っとした空間を利用して巣を作りつつあるという重大な事実でした。私の
大切な書類を齧ってはその空間に紙屑を溜め込んでいたのです。これは書
類の為にも見逃すわけにはいかないですし、いくら可愛らしいと言っても
子供を産んだりするとネズミは恐ろしい勢いで(それこそネズミ算式
に!)増えると言いますから、ちょっとそれは勘弁...。今のウチに阻
止せねば!
...ということで本日日曜日は本棚の中段の大掃除をしました。ミミち
ゃんには悪いですが、巣は取り壊させて頂きました。ごめんね。バイバ
イ。
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マリオットホテルで爆発事故(10月28日・木曜日) No. 426
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夜10時をまわった頃、フェイサルから私の部屋に内線電話が。
「Breaking Newsです。マリオットで爆発事故です。」「えっ、ほんと
に?」程なくしてテレビ局の方々からのお電話。状況によっては取材に飛
んでこられるかもしれないとのこと。
私はこちらでは普段全くテレビを観ないので、このようなニュースは遅れ
がち。いつも離れに住んでいるスタッフ達や自宅から電話をしてくれるマ
ネージャー達に教えられて、おもむろにテレビのスイッチを入れると言っ
た具合なのです。すぐにテレビをつけると画面には「イスラマバードの高
級ホテルで爆発事故発生。おそらく電気系統のショートが原因と見られ
る。」との説明と共に、粉々にガラスが砕け散ったマリオットホテルのロ
ビーが映し出されています。第一報道ではホテルの名前は発表されていな
かったのですが、知る人が見ればすぐにマリオットだとわかります。知っ
ている場所が被害を受けるというのはやはりヒヤっとするものです。21時
半という時間帯からしても、自分がそこに絶対に居ないと言い切れず、仕
事柄ホテルには良く出入りしますので、巻き込まれる可能性も充分にあっ
たわけですし...。
まずは、アフガニスタンの関係者の方々に一斉にお知らせをしました。セ
キュリティが厳重だという理由でこのホテルを指定宿として使っておられ
る方が多かったので、お知らせせねばと感じたのです。幸い死者は出てお
らず、数名の負傷者のみで日本人は巻き込まれていないということでし
た。次に心配をかけないように実家の両親と親友達に無事を知らせまし
た。ここは叔父がアフガニスタン出張時に泊まったホテルでもあったの
で、残念な思いもひとしおです。
旅行業関係者の方々には23時半の正式発表を見て、もしもテロが原因とい
うことになれば、一斉にお知らせをすることにしました。フェイサルと2
人で画面を見つめながら、恐ろしく気が滅入ってきました。恐いとかいう
ことよりも「これでまた観光業にブレーキがかかってしまうの
か...。」という危惧です。ゲートシティ・イスラマバード首都圏がテ
ロの危険に晒されるとなると、もう一貫の終わりです。
結局、情報省からの正式発表で「電気系統のショートが原因」と断定され
たので、とりあえずはホッとしました。ただ、マリオットホテルに対して
は心から同情します。この物的損害は大きいでしょうし、テロでないと表
向きに言われても、釈然としない思いはぬぐえないはずです。それにテロ
の可能性を100%否定したとしても、電気系統のショートでこのような大
規模な爆破が起きてしまったホテルに誰が安心して泊まれるでしょうか。
こちらの人々は企業へのロイヤリティが希薄で情勢が悪くなると簡単に転
職してしまいますから、明日から就職活動を密かに始めるホテルスタッフ
も居ることでしょう。今後はますますイスラマバードのセレナホテルの地
位が不動のものになりそうです。
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ぷ〜ちゃんの心の傷(10月28日・木曜日) No. 425
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今年の1月に英国からパキスタンやってきて以来、1日たりとも私と離れて
過ごしたことのなかった愛犬シェルティのぷ〜ちゃんに対して、この度の
私の日本滞在は想像以上に深い心の傷を残してしまった様子。私が不在の
間もスタッフ達がこまめに面倒をみてくれていたので、健康面でも問題が
なく、またちょっと大きくなって元気に跳ね回っているのですが、分離不
安というのでしょうか「今別れたら会えなくなるのでは!」という危機感
を常に抱いているのが行動の端々に見え隠れします。
一番顕著なのが食事の時。以前は脇目も振らずにガツガツと食べていたの
に、今は私が横に座らないと食事しないのです。「食べてる間にどこかへ
行ってしまうのでは...。」と心配しているかのように、食べ物に向き
合いながらもチラチラと私の姿を確認するので、その姿がいじらしく「今
はどこにも行かないのよ」という意思表示の為に容器に手を添えて食べ終
わるまで待つようにしています。
食事の後はボール遊び。ボールを追いかけてひたすらに部屋の中を走り回
ったあとは、ベッドに座ってぐいっと鼻でボールを転がして私の前に差し
出します。それを私がまた転がし返すというコロコロキャッチボール。こ
うしてぷ〜ちゃんと遊びながら、犬であるぷ〜ちゃんが異なる種である私
を意識して行動をしている不思議について考えます。人間と犬とが意思疎
通が出来る事が、こうして言葉が自由に通じない外国に暮らしていると余
計に不思議に映るのです。下手をすると言葉の通じない人間同士よりも犬
との方がスムーズにコミュニケーションが取れているような錯覚にさえ陥
ります。
アメリカの女優シャーリー・マクレーンの新著『アウト・オン・ア・リー
シュ(邦題:愛犬テリーに教わったこと)』が飛鳥新社から11月中旬に出
版されるそうですね。愛犬テリーとのスピリチュアルな交流について描か
れていると聞いて、私も必ず読もうと心に決めています。犬にはとてもス
ピリチュアルな繋がりを感じます。
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驚愕のアリ地獄!!(10月27日・水曜日) No. 424
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日本から戻ってきて2日目の今朝の出来事。
昨日は仕事をしながら、デスク横の本棚に無数の蟻が這っているのが気に
なっていました。どうやら誰かが私の不在中に本棚にあるアロマポットを
こっそり炊いてオイルごと倒してしまったらしく、ところどころにオイル
がこびり付いているのです。(誰に聞いても「知りません」と言うのだけ
れども、これはいつものこと!誰も白状はしない!!嘘も突き通せば誠に
なるってこと!??)そのオイル目指して蟻がたかっていると睨んだ私は大
掃除を決行することにしました。
午前6時頃から人気のない事務所で本棚の掃除開始。最初に本棚のモノを
全て動かして、細かく確認をしていると、DVDのケースからも蟻が出入り
している様子。「ケースの中にアロマポットの水が入って固まったか
な?」と思いつつ、ケースを開けた私は「〜〜っ!!」卒倒寸前に!!ケ
ースの中身は真っ黒く蠢く無数の蟻。全て蟻、アリ、あり!!
「も〜〜〜。一体何事やのぉ??何でこんなに蟻がおるの〜〜〜?」と半
泣きで掃除機を取りに行くと、見張りのアルターフが助けに来てくれて、
丁度その頃出社した掃除夫のダニエルと2人で蟻退治を開始してくれまし
た。それにしても出るわ出るわでビデオカセットの中にもウヨウヨ居るの
です。勘弁して〜〜。未だもって何が原因だったかハッキリはわからない
のですが、巨匠ダリの絵に出てくるような黒く艶やかな蟻が今もデスクの
まわりを闊歩しています。何だかどんどん事務所の敷地内の動物密度が高
くなってゆくような...。
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久しぶりの更新です。(10月27日・水曜日) No.423
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気がつけばもう10月末。このチャイブレイクは3ヶ月以上のお休みを頂い
ていたことになります。
夏は色々と新しい試みをスタートしたせいで、慌しく過ぎて行き、9月下
旬から1ヶ月ほど日本に帰国していました。出張帰国なので週末返上で毎
日仕事浸けでしたが、それでもオフの時間には家族や友達と楽しく過ごす
ことも出来て、大満足の帰国でした。
1年ぶりの帰国だったので、会いたい人達が沢山居て、じっくり喋るのに
は食事時間だけじゃ足りない!とばかりに、ご厚意にすっかり甘えて、ず
いぶん沢山の友達の家に泊めてもらいました。新婚家庭にも子供さんが居
る家庭にもシングルライフを楽しんでいる家庭にも...!「もてなし上
手」の友達に恵まれているって幸せです。
そうやって楽しく暴飲暴食をしたのがたたって体重計に乗るのが恐ろしい
状態になったままパキスタンに戻ってきました。おりしもこちらはラマダ
ン真っ最中。これまでの過去4年間はラマダン中でも「私は仏教徒だ
し。」とランチを頂いて、断食明けのアフタールという軽食もちゃっかり
頂いて1日4食の暮らしだったのですが、今回ばかりは私も彼等とは別の
理由から「プチ断食」で、1日1食の生活をしています。でもチャイだけは
例外です。少しは痩せたかしらん?でもまだ体重計に乗る勇気が湧いてこ
ないのです。トホホ。
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クリックで救える命がある(7月14日・水曜日) No. 422
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このチャイブレイクの片隅に「DDF」のリンクを置くことにしました。こ
れはクリック募金サイトへのリンクです。「クリック募金」とはクリック
をするだけでスポンサー企業がその人に代わって募金をする、というシス
テムです。このDDFのサイトからは現在『コスモ石油』『味の素グルー
プ』『価格.com』『AFLAC』『IPB』『ジャパンエナジー』といった企業の
クリック募金のページへ飛ぶことが出来ます。各企業のクリック募金も
「植林」「盲導犬基金」「小児ガン支援」「教育」「飢餓撲滅」「孤児支
援」というように非常に多岐に渡っています。1企業サイトにつき1日1
回のクリックが可能で、間違えて2回してしまうと「日付が変わってから
またお願いします」と通知があります。(この日付は日本時間を基準にし
ていますので、海外在住の皆様はご注意下さい。私も寝る前にクリックし
て翌朝クリックしようとすると「2回目です」と指摘されてしまいまし
た。ハハハ。)またひとつの支援項目について自分がこれまでに何回クリ
ックをしてきたのかという累計も表示されるので、IT音痴の私などは
「え〜!!一体どういう仕組みになってるの?スゴイ!」と驚くばかりで
す。
このDDFの関連企業が現在6社ということは少なくとも1日6クリック
は出来るということですから、ここに訪れるだけでも1日6円の募金が出
来るということですね。各サイトも趣向が凝らされていて、訪れるだけで
勉強になります。
3日前に遡りますが、インターネットで全然関連のないサイトをいくつか
覗いていたのですが、どういうわけかこの「DDF」へのリンクを貼っ
ているサイトにばかり出会うのです。「あら、このバナー、どっかで見た
な。あ、そうださっきのサイトにもあったわ。」というわけで、こういう
偶然が重なる時というのは「行動を起こせ」というサインだと私はいつも
考えます。そこで早速サイトの内容を見て、自分でもクリック募金なるも
のを経験してみて、今日からコックス・パキスタンのサイトにもリンクを
貼らせて頂くことにしました。よろしくお願い致します!
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愛知万博に参加します!(7月12日・月曜日) No. 421
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今日はEXPO2005のパキスタン事務局でのミーティングに出席。パ
キスタンパビリオンのデザインを手がけておられるアーティストの方にも
お会いして、着々と準備が進んでいる様子を見せて頂きました。
愛知万博《愛・地球博》のメインテーマは「Nature's Wisdom 自然の叡
智」。そしてサブテーマとして「Nature's Matrix」「Art of Life」
「Development for Eco-Communities」 の3つがあるのですが、パキスタ
ンは「Art of Life」にスポットを当てて、パキスタンの万華鏡のような
歴史や文化をご紹介します。
「テロリストの国」という欧米メディアが創り上げたイメージを覆し、パ
キスタンの魅力を余すことなくお伝えできるパビリオンにすべく頑張って
います!折に触れてこれからも愛・地球博へのパキスタンの取り組みを弊
社ホームページでもご紹介して行きたいと考えています。
さて、2年前の秋、名古屋で開催されたEXPO企画会議に出席させて頂いた
のですが、その折に出席者に配られた「モリゾー&キッコロ」のTシャツ
を部屋着として愛用しています。本来は杢グレーだったのですが、一度バ
ーガンディカラー(ワインレッドみたいな感じ)のバスタオルと一緒に洗
ってしまい、見事に色が染まってしまいました。私だけチャコールグレー
です。でも、これがなかなかオシャレな風合いなのです。最初からこの2
色があったら、私は間違いなくこの「染まってしまった」カラーの方を取
るなぁと思うくらい。
ところでこのオリジナルキャラクターのモリゾーとキッコロ。本当に和む
キャラクターですね。普段はキャラクターグッズには全然興味がないので
すが、何故かこのモリゾーとキッコロのことは心から大好きです。こうい
うのをデザインする方のセンスというのはスゴイですね。昨年、パシフィ
コ横浜で開催された世界旅行博の会場でも「愛・地球博」のプロモーショ
ンということで「モリゾー」が歩いていたのですが、「わ〜、モリゾーだ
ぁ!」と駆け寄って抱きついてしまいました。きっと中に入っていた方は
「な、なんだコイツは!」と恐ろしかったことでしょう。すみませんでし
た。
愛知万博、21世紀最初の万博。日本で開催するからには成功させたいで
すよね。私達も参加するからには精一杯頑張ります!
愛・地球博:オフィシャルサイト
http://www.expo2005.or.jp/jp/
モリゾー&キッコロの休日
http://www.morizo-kiccoro.jp/top.html
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K2登頂50周年記念イベント(7月10日・土曜日) No. 421
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世界第二位の高峰がパキスタンにある、ということをご存知ですか?その
名はK2(ケーツー)。標高8611m。何故K2と呼ぶのかと言うと、
インドの測量局が1856年からカラコルム山系の測量を開始した折に、
名のない山にカラコルムのKをとってK1、K2、K3...と測量番号を
つけたのです。その測量番号を今もそのまま使ってK2と呼んでいるので
す。中国名ではチョゴリと言います。
さて、今年はK2初登頂から50周年。世界最高峰のエベレストよりも登
頂が難しいと言われるK2の初登頂を飾ったのはイタリア隊。1954年
7月31日のことでした。
今日はマリオットホテルにてこのK2ゴールデンジュビリーのイベントが
開催され、私達の会社からはサジャード社長が出席しました。例のごとく
「スピーチ大会」ということであまりアピールのあるイベントではなかっ
たそうですが、K2セレブレーションはまだまだ始まったばかり。今年は
観光省やPTDC(観光公社)もK2イベントを目玉に頑張っているよう
です。登山料をアニバーサリーセールのごとく大幅値下げしたことも手伝
って、世界中から遠征隊が訪れ、K2はこの夏ラッシュ。日本からの遠征
隊もいらしているそうです。
ところでユニークな趣旨で注目を集めている遠征隊があります。韓国の登
山家で世界の8000m峰14座の登頂記録を所持する韓王龍(ハン・ワ
ンヨン)遠征隊長は《K2清掃登頂隊》を結成して、今年再びカラコルム
にやって来られました。韓隊長は2000年にK2登頂の成果を収めたも
のの、生きて下山することで精一杯だった為にテントや食糧などを全て山
の中においてきてしまったのだそうです。そのことを反省し、今回はその
ゴミを撤収するためのK2登頂。もちろんご自分のゴミだけでなく過去の
登山家達が残してきたゴミを撤収することが目的とのこと。予定では2.
5〜3トンのゴミを持ち帰り、韓国遠征隊からのゴミは国内に持ち帰り、
反省を促す機会として展示する予定なのだそうです。言うは易し、行なう
は難し、これは「命懸けのゴミ拾い」です。
そういえば今日のレセプションに参加したサジャード社長から皆様へのお
土産があります!
IUCN-The World Conservation Union(国際自然保護連合)のパキスタン
支部が作成した『Keep K2 Clean』というステッカーです。これはK2
初登頂50周年を記念して特別に作られたもので、全体は真っ赤でユニー
クなことに大きく白字で「FRAGILE」と書かれています。日本語で言うと
ころの「ワレモノ注意!」という例の梱包の折に貼るステッカーのイメー
ジですね。「K2の自然は壊れ物ですから大切に扱って下さい」というメ
ッセージが込められたこの特別なステッカーを抽選で3名様にプレゼント
します!
■■■■■抽選で3名様にプレゼント!■■■■■
○応募方法:
こちらまでメールにてお申し込み下さい。
(この段階ではお名前のみで結構です。HNでも可。)
○締め切り:
2004年7月31日(土)
(初登頂記念日に抽選を行ないます!)
○発表方法:
ご当選の方にメールにてご通知を差し上げます。
(お届け先やお名前はこの段階でお伺い致します。)
○お届け:
郵便にてお届け致します。送料は弊社が負担致します。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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今、話題沸騰のコックのエヘマット。敏捷さの対極にある彼は相変わらず
大柄の身体をノロノロ動かして、ボ〜っとしながら塩辛い料理を作ってい
ます。キッチンで他のスタッフと会わないところを見ると、やっぱりみん
な外食しているのかなぁ...。
言葉は悪いのですが「ウドの大木」というのは、まさにこういう人を指し
て言うのだろうナ...としみじみ実感します。日本にも昔はこういうキャ
ラクターが身近に存在していたのかもしれません。落語や昔話の中にはネ
ジが1本も2本もはずれたトボけた登場人物が必ず出て来ますものね。実
害さえ蒙らなければ、見ていて楽しく、平和な気分になります。
この間、キッチンでエヘマットが食器を洗っている時、彼の背後にある食
卓でフェイサルと私とがチャイを飲みつつお喋りをしていました。その
時、御勝手のドアの外から運転手のナキーブが「お〜い!エヘマット!」
と声をかけました。
流し台に向かってお皿を洗っているエヘマットにとって声のする方角は左
前方。彼が返事をしないので、ナキーブは「お〜い、エヘマット!エヘマ
ット!エヘマットーーー!」とますます大声で呼びかけています。すると
ようやく自分が呼ばれていることに気付いたのでしょう、彼は「ハッ、オ
レが呼ばれてる」と顔をあげて、何とこっちを振り向いたのです。私達が
居たのは彼のうんと背後。声がしているのは彼の前方。だ、大丈夫〜〜?
しかも彼はフェイサルと私の顔を「呼びました?なんですか?」と言わん
ばかりの表情でジーーっと見つめています。その間もナキーブが「おい!
エヘマット!」と声をかけています。今のポジションだと声はエヘマット
の背後からガンガン聞こえているのに、彼は相変わらず目の前のフェイサ
ルと私を穴のあくほど見つめて「なんでしょう?」という顔で指示を待っ
ているのです。
フェイサルに「ちょっと...。彼は私達が呼んでいると思ってるみたい。
教えてあげたら?」とささやき、それを受けてフェイサルが「後ろでナキ
ーブが呼んでるよ。」と伝えると、初めて脳の中でカチリと回線が繋がっ
たように外に目をやって、声の主に気付いたのでした。
何だか新鮮で笑ってしまいました。私は勝手に彼を「オトボケ太郎」と名
付けました。
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私の氏神様は織姫様(7月7日・水曜日) No. 419
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私の生まれた大阪府枚方市(ひらかたし)と6歳から過ごした交野市(か
たのし)とは「交野ヶ原」(かたのがはら)と呼ばれる歴史の古い地域で
す。中でも七夕伝説が色濃く根付く土地で、「天野川」という川が流れ、
そこには「逢合橋(あいあいばし)」や「かささぎ橋」という橋が架かっ
ています。そして素敵なことに織姫様を祀った「機物神社(はたものじん
じゃ)」という神社が実家から徒歩5分の場所にあります。ここは私達の
氏神様ですので、一年の節目にはいつもこの神社にお参りしていました。
小さな神社ですがこの神社のご神体は生駒山系にある「交野山(こうのさ
ん)」という頂上に巨大な岩石を頂いた山。冬至の日に機物神社の遥拝所
の前に立てば、交野山の山かげから太陽が昇り、太陽の昇る位置は年間を
通じてここより南へは下がらないとのこと。つまり、「機物神社は冬至の
日の出を拝む所」で、そうした天文学上の計算を踏まえて作られた神社な
のです。
更に彗星学者の木内鶴彦さんが10年前に驚くべき事実を発見されまし
た。「天野川」「機物神社」そして現在の枚方市樟葉(くずは)にある
「交野天神社」の位置関係が天体の「天の川」「こと座のベガ」「北極
星」とピッタリ合致するのだそうです。更に厳密に調べると西暦535年
のものだということも判明しました。この「交野が原」に描かれた星図は
ペルーの「ナスカの地上絵」以上の規模なのだそうです!
発見当時、地元でこの事実がどのくらいセンセーショナルに取り上げられ
たのか、当時アメリカ・ウィスコンシンの田舎暮らしに浮かれていた私は
残念ながら知らず、3年前くらいまで何も知らずに過ごしてしまいまし
た。こちらパキスタンに来てインダス文明の「モヘンジョダロ」について
勉強するうちに「超古代文明」に惹かれて、そちらのルートを色々と辿っ
ているうちに、なぁんと巡りめぐって実家に戻ってしまったという驚きの
体験をしたのです。
『神々の指紋』などで有名なグラハム=ハンコック氏に与那国島の海底都
市の研究が一段落したところで、交野市を訪れて頂きたいものです!(ち
なみに彼の処女作はJourney Through Pakistanというパキスタンの観光案
内の書物だったということは意外と知られていないのですよね。ふふふ、
トリビア@パキスタンでした!)
今日は七夕。機物神社では今日も盛大な七夕祭りが行なわれていることで
しょう。古代の不思議が眠る交野市について多くの方が興味をもって訪れ
てくださいますように!!
★交野が原の星図についてもっと詳しく知りたい方はコチラ!!
⇒ 「あるっく」地元が世界に誇るもの
http://yousworld.com/alook/hokoru/hokoru5.htm
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今度は塩が多いよ〜〜!(7月6日・火曜日) No. 418
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以前の《料理の出来ない料理人さん》は実は本業が「塗装屋」さんという
ことがわかって(そもそも誰が「コックとして」連れてきたのだ!)、料
理が出来ないのは無理もない...ということで、今度来てもらったエヘマ
ットさん。前にも紹介しましたが、フンザ出身のヌボ〜っとした大柄の男
性。目にちっとも生気がなく「だ、大丈夫?この人?」と不安になったの
ですが、フンザのダルバールホテルで働いていたこともあるから大丈夫!
という言葉に励まされて、みんなワクワクと食卓に着いたのです。
《頂きまーす!》ひとくち食べてギクっ!「し、しょっぱ〜〜い!」...
これは塩を齧っているようなもの。ショッパイにも程がある!せっかく作
ってくれたので悪いと思うけれども、これは食べられない。皆が「塩を減
らしてくれないと食べられない」と訴えると「そんなに入れていない」と
の返事。何度言っても一向に塩の量が減らないのです。「これでは高血圧
で倒れてしまう!」またスタッフ達の外食生活が始まりました。何かと理
由をつけて休みを取って実家に帰る人も!!ひっど〜い!私は一人で食べ
に出られないので、外からテイクアウト可能なサモサやサンドイッチを買
って来てもらうのですが、こういう軽食で凌いでいるとドンドン気も滅入
ります。
サジャード社長から「大丈夫?顔色が悪いよ。」と言われ、社長ご愛用の
「マイ血圧計」を借りて血圧を測ってもらったら上が85で下が54。
「低すぎるよー、ちゃんと食べて栄養をつけないと!」と叱られました
が、何と言っても私にはチョイスがないのです。一人で外食が出来ないの
は本当に不便!!キッチンを使って自炊するにも、このコックさんが終日
陣取って誰も食べない料理を黙々と一生懸命作っているので、それも何だ
か可哀想で「じゃあちょっとだけ食べようかな。」と食卓についてみるの
です。
しかももうひとつ大きな問題が。このコックさんは食器をちゃんと洗えな
いのです。前の汚れが残ったままの食器を見て、また気が滅入る...。言
っても言っても言っても言っても、今日もまた言わないといけない。更に
問題なのは日本ならば幼稚園児でも出来てしまう「グループ分け」が上手
に出来ないのです。同じ色のお皿、同じ形の器の識別が出来ない。お客様
用の食器も、普段使いの食器も、骨や果物の皮を入れるゴミ用食器も全部
一緒に片付けてしまうのです。ある時、そんな「ゴミ用食器」に私の食事
を入れてバンと目の前に置かれた時には、さすがに悪気がないとわかって
いても、深く落ち込んで、食事には手をつけずに自分の部屋に行って「惨
めすぎるーー」と泣きました。
かくなる上は、新しいコックさんが見つかるまで、これを口実に外食の約
束を沢山とりつけるしかありません!普段は私が知り合いの方達と外で会
って食事をするのも、「パキスタンでは女性が外食したり誰かの家を訪ね
たりするのはあらぬ誤解を招くからやめてほしい」と、あまり周囲から良
い顔をされないのですが、この状況では仕方ないでしょう!チャンスか
も!!
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北風と太陽 on Board (7月4日・日曜日) No. 417
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昨日の続きです。「旅行はゴネ得なのかどうなのか?」...というトピッ
クです。
私が旅行会社に入った年、海外添乗デビューをするにあたって営業課の先
輩から大変貴重なアドバイスを頂きました。それはツアーのお客様をご案
内して飛行機に乗ったら、まず何よりも最初に客室乗務員(スチュワーデ
スさん)のチーフを探してご挨拶にあがるように、というものでした。
「○○旅行会社の△△と申します。この度はお世話になります。私どもの
お客様は★番の列から☆番までのブロック、全部で○○名様です。特に体
調の悪い方などはおいでになりません。どうぞよろしくお願い致しま
す。」と挨拶をして名刺をお渡しするように、ということでした。それか
ら絶対に機内でチョロチョロ歩き回って客室乗務員のお仕事を邪魔しない
ように、とも指導を受けました。機内でのブリーフィングなどはもっての
ほか!と。
この教えは本当に驚くほどに効果テキメン!でした。最初にご挨拶をする
だけで、長いフライトの間、何かと私達のグループのお客様のことを気に
掛けて下さって、他のツアーのお客様に対してよりも明らかに頻繁に声を
掛けてご配慮下さっているのです。最初に「体調を崩しているお客様が居
る」と報告した時などには、きめ細やかにご配慮頂くことが出来て「前方
のブロックで1列お席を空けることが出来たので、そちらにご案内して横
になって頂きました。」とご報告下さったり...。時には「ご搭乗の記念
にお客様に差し上げてください」とオリジナルグッズをこっそり人数分下
さったり、フライト日が誕生日だと洩らしたお客様の為にカクテル用のミ
ニボトルを詰め合わせて下さったり、本当に私もお客様ともども気持ち良
くフライトを楽しむことが出来ました。
接客のプロと言われるスチュワーデスさんだって「心」のある人間です。
必要最低限のサービスは仕事として出来ても、プラスアルファのサービス
は「敬意」を示してくれる人に対して自発的に生まれてくるものでしょ
う。これはフライトに限らず、旅の色々な場面でいかされる教訓だと思い
ます。太陽のような暖かさと笑顔と敬意の方が、北風のような厳しい叱責
よりもはるかに相手の心に働きかけるもので、その結果は必ず自分に戻っ
てくるのですね。人の心を鼓舞するのも萎えさせるのも「人」です。敬意
に対しては敬意が、侮蔑に対しては侮蔑の感情が跳ね返ってくるのではな
いでしょうか?
ですから私は旅行が「ゴネ得」だとは思いません。金銭ではかれない旅の
付加価値というものが必ず存在します。仮に何か不具合があった時にも相
手の立場を尊重した上で意見出来る方(<= これは《ゴネる》のとは次元
が違います)に対しては、サービスの提供者は「このお客様に何とか喜ん
で頂きたい」と心を懸命に砕くものです、こういう「選ばれるお客様」に
なりたいですね!
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